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【読書メモ】Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー

 

Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー

Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー

 

 株式会社オレコンの代表を務める著者による、マイクロコピーに特化して書かれた書籍。以前よりCTA周りのコピーの情報を探していると、オレコンのブログにたどり着くことがあり、コピーへの細部の調整によってコンバージョンを上げる手法を多く紹介していて参考になっていた。

以下、参考になった箇所の読書メモ。

人に行動を起こしてもらうための3つの要素

スタンフォード大学のBJフォグ教授がまとめたフォグ式消費者行動モデルによると、人に行動を起こしてもらうためには、モチベーション・行動障壁・トリガーの3つの要素を満たし、行動移行ラインを超えたエリアにいってもらう必要がある。

モチベーションとは、「お客さんがどのくらい強く動機づけされているか?」、行動障壁とは「行動の妨げになっている障害物が、どのくらい簡単に乗り越えられるか?」、トリガーとは「行動のきっかけとなる合図」。

 マイクロコピーが効果を発揮するのは、コンバージョンボタンを押すかどうか迷っているような、すでに高いモチベーションを持った人たちに対してとなる。

行動モデルによると、行動の障壁となるものは以下の6つ。

  1. 時間がかかること
  2. 費用がたかいこと、思いがけない追加のコスト
  3. 肉体的許容性(動きたくない)
  4. 頭脳的許容性(考えたくない)
  5. 社会的な逸脱(後ろめたさがある)
  6. 成果を出すまでに、繰り返し行動が必要か?(ルーティン)

このような障壁を一つひとつ取り除いてあげるのが、マイクロコピーの役割となり、「行動しない理由」をなくすことで、結果としてコンバージョンが増加する。

 

コンバージョンボタンのマイクロコピー

CTA周りでのコピーは、コンバージョンに直結する部分であり、特に注意してライティングをする必要がある。

ボタンのラベルではベネフィットを伝える

見込み客は何かしらの「行動しない理由」を探している。手続きの内容を伝えるだけのラベルではなく、「行動することによって、あなたにこんなメリットがありますよ」と明確にベネフィットを伝える必要がある。

「無料である」ということは、強力なベネフィットであるし、同時に検討段階における不安を払拭するための要素でもある。

ボタン周りにクリックトリガーを添える

クリックトリガーとは、ユーザが決断を下す瞬間に、心理的な障壁を下げるためのマイクロコピーのことで、相手の「不安」「懸念」「疑問」を減らすためのメッセージ。

ボタンのラベリングだけでは伝えられない情報は、補足的にボタン周辺に盛り込んでおくべき。

クリックトリガーは大きく3種類に分けられる。

  1. ファシリテーター
    不安、懸念、疑問を取り除き、行動をしやすくする
  2. スパーク型
    ベネフィットなど、行動への意欲をかき立てるもの
  3. シグナル型
    行動の後押しとなる情報を知らせたり、思い出させたりするもの

汎用なリンクボタンでもアクセシビリティを考慮する

次ページへの動線として、「詳しくはこちら」のようなラベルを付けたボタンがあるが、その前の文章をきちんと読んでいなければ、リンク先のコンテンツが分からない。流し読みをしているユーザに対しても、次のページにはどんな情報が含まれるのかを具体的かつ説明的なコピーにしておく必要がある。※「セミナーに参加する」「お客様の声を読む」など

タイミングワードを使って行動を後回しにさせない

強い思い入れを持っていないような場合は、ユーザは行動を後回しにしてしまう。ECサイトの購入ボタンのラベリングの場合、「購入する」よりも「今すぐ購入する」といったラベルを付けて、いまこの瞬間に行動すべきであることを伝えた方がよい。ただし、ボタンのラベルを変更しただけで購入率が高くなるわけではないので、CTA周りでは限定感やタイムセール等のいま買うべき理由をしっかりと説明することも必要になる。

コピーに具体的な数字を盛り込む

タイミングワードにも関連するが、購入や登録のための手続きにどれくらいの時間を要するかが想像できないと、心理的な障壁が付きまとって行動に移しにくいため、手続きにかかる目安の時間は、コピーの中に盛り込んだ方がよい。例えば「1分で簡単新規登録」のように、ボタンをクリックした後の操作は簡単であることを簡潔に伝えることで、遷移率は大きく変わってくる。

なお、数字を表記する際には、ユーザの置かれた状況によって表現を変えた方がよい。今まさに購入を検討しているユーザには、数字が小さくなるように伝え、すでに購入が完了しているユーザには、単位(時、日、週、月、年など)が小さくなるように伝えることで、商品がすぐに届くイメージを演出することができる。

第三者の推薦の声を伝える

ユーザに取っての権威ある人物の推薦の言葉があれば、購買意欲を高めることができる。また、「お客様の声」のようなレビュー評価があることで、サービスや商品への信頼を高めることができる。今の時代、一方的に良いことだけが書かれていても信用しないし、逆に不安を感じることもある。良い面と悪い面を包み隠さず伝えるようなコンテンツの方が求められている。

 

まとめ

コンバージョンに繋げるボタン周りのマイクロコピーから、フォームやメルマガ、問い合わせページ向のコピーなど、参考サイトの事例も多くかなり具体的なコピー例が満載で、画面設計時には非常に役立つ本だと思う。

コンバージョン率を高めるための改善を検討する際に、デザイン周りの変更をまず考えてしまいがちだが、その前に既存のコピーを見直して修正をすることで、大きく改善できる余地があるはず。

ユーザの行動を促すコピーを検討する際には、「なぜ行動しないのか」というユーザ目線での不安材料を一度リストアップし、それらを解消し、後押しするにはどんな言葉をかけるといいのか、という観点にて検討する必要がある。 

【読書メモ】売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。

売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。

売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。

 

楽天にてマーケティングやECコンサルタントを務めていた著者が、ネットショップ運営におけるノウハウを体系的にまとめた書籍。 大きくは集客・接客・追客の3大施策について、具体的な手法を紹介している。ショップの規模や特性ごとに施策方法が紹介されているので、全てを網羅しないでも、段階ごとに実施すべきアイデアとして参考になる。

 以下、参考になった箇所の読書メモ。

ネットで売るための3大施策は「集客」「接客」「追客」

売れ続けるショップになるためには、店舗に集客して、売れるよう接客し、追客(リピート促進)することが必要。これは実店舗と同じであり、駅前でチラシを配って集客をし、販売員やPOPによる接客で商品を紹介し、会員登録した購入客にDMを送ってリピートを促すといった施策と同じこと。

  1. 集客
    SEOリスティング広告、純広告、マスコミ記事、懸賞、ブログなど
  2. 接客
    品揃え、コンセプト、看板商品など
  3. 追客
    メルマガ、同封チラシ、店長ブログなど

優先順位としては、まずは集客の強化が必要。新規立ち上げのネットショップで、ネームバリューもないような場合、そもそもアクセス自体がされない。SNSやオウンドメディアなどの地道な更新も必要だが、コストを抑えつつも広告を出して集客し、効果測定をしていく必要がある。

 

ネットショップのユーザーは、大きく4つの段階に分けられる

まずは、店舗の存在自体も知らない潜在客。何らかのきっかけで訪問した来店客、ページを見て満足し商品を購入した購入客、そして商品への満足や何かのきっかけでリピート購入をした継続客の4段階に分けられる。

売上を増やしていくには、潜在客に対して継続的にアプローチし、一人でも多く来店させて、購入客と継続客の人数を増やしていくことになる。そもそも、潜在客を多く集客しないことには次の段階に進むことすらできないので、継続的に集客することに力を入れることが重要。

  • ニーズが不明確な潜在客
    ↓ 集客
  • 商品案内を見る来店客
    ↓ 接客
  • 一度は買った購入客
    ↓ 追客
  • 売上を支える継続客(リピーター)

 この4つの段階におけるユーザーの心理状態を踏まえた施策が必要になる。潜在客の心理としては「注意力散漫」。店舗のことなど知らないが、関連するキーワードで検索し、潜在的なニーズはあるが自覚はしていない状態。キャッチコピーなどでニーズを顕在化させる必要がある。

来店客の心理状態は「せっかち」。検索結果や広告から来店しても、興味を引かず、自分に関係があると思わなければすぐに直帰してしまう。店舗詳細ページにおいては、冒頭から興味を持たせて読み進めてもらうような掴みが必要になってくる。

購入客の心理状態は「忘れっぽい」。よほど思い入れがなければ、どこの店舗で購入したかなど覚えてはいない。だからこそ、初回購入客には、リピート訪問をする理由付けを考えなければいけない。次回の購入で利用できる割引クーポンなど、直接的なメリットが感じられなければ訪問されないだろう。メルマガも誰にでも言えるテンプレ配信ではなく、購入客の状態(初回購入か継続客か、購入した商品のカテゴリなど)に応じた内容が求められてくる。

継続客の心理状態は「浮気性」。一度購入したとしても、他の店舗にも同じような商品があれば、すぐに乗り換えられてしまう。リピーターには「この店舗で買う理由」付けがないと、継続した購入には繋がらない。

 

オリジナルブランド商品は、徹底的に魅力を伝える

食品や健康食品などの自社・無名ブランド商品を扱う店は「オリジナルブランド」に分類される。知名度もなく食品を扱う場合、スーパーが最強のライバルとなる。「近所で似たような有名商品を売っているのに、なぜわざわざ通販で無名商品を買わなければいけないのか?」。この問いに答えられないと、スタートラインにも立つことができない。

解決するには、興味を引く実績や作り手のこだわり、製造工程、産地、原材料などの情報開示が必要になる。また、「お客様の声」のような客観的に信頼を証明する情報も掲載した方がよい。オリジナルブランドを販売するのはハードルが高いが、商品力が高ければ「そこでしか買えない」ことも強みとなる可能性がある。

 信用を得ながらリピートを増やす基本施策

  • 商品のアピールポイントをまとめた商品ページ。単なる商品スペックの紹介ではなく、「買うべき理由」の提示が必要。
  • 小量かつ低価格のお試し商品を用意し、メルマガから商品へ誘導する。
  • 売り手自身の自己紹介も信用を高めるために必要。

 

集客媒体は「CPO」で評価する

広告など集客への投資は、「購入客一人あたりの広告費」で効果検証を行う。費用と購入客数さえ把握できれば、異なる集客施策も全て同じ基準にて比べることができる。

  • CPO(Cost Per Order)の計算式
    広告費÷購入客数=購入客一人あたりの広告費

さまざまな集客媒体でテストを行い、儲けと比較しながらCPOの情報を蓄積していけば、どの媒体を継続的に使うべきかが見えてくる。

ただし、CPOは低ければ良いとは限らない。例えば、5,000円の商品と300円送料無料の有料サンプルのCPOは、後者の方が当然低くなる。その後のリピート率まで見ないと良し悪しを判断することはできない。

CPO計測の正しい考え方は、「同じ商品・同じリンク先ページ」でさまざまな広告媒体に出稿して「どの媒体が一番有効か」を判断するというもの。

 

自店舗の強みを分析して店舗コンセプトを考える

ユーザーは一度に多くのショップを見比べるので、店の強みは一瞬で伝える必要がある。もし実店舗があるなら、常連さんの顔を思い出して、どんな人か?どんな商品をよく買っているか?などから強みを想像する。

コンセプトを踏まえた上で、自店舗の客層を何種類かイメージし、具体的なキャッチコピーを作成する。客層は、年齢や性別だけではなく、「その人が、自店舗の商品を買ったとしたら、それはどんな動機だったか?」と想像を膨らませて具体的に考える。

客層と購入動機のイメージができたら、品質、価格、利便性の観点から、その客層に支持されそうな強みを探し、キャッチコピー化していく。

 

「入口商品」からリピート購入への流れを設計する

知名度もない始めたばかりの店舗の場合、まずは安価なお試し商品や送料無料など、購入のハードルを低く設定してとにかく買ってもらう必要がある。

リピート率を高める入口商品は、まずは買いやすくするために、単価を低めに設定し、送料込みにするのが基本となる。

無事に購入してもらえたとしても、自発的にリピートするケースはまれなので、同封チラシやメルマガなど、商品本体以外での仕掛けが必要。価格を低めに設定して購入ハードルを下げる商品とは別に、複数の商品を少しずつまとめたようなお試しセットを用意することも、リピートに繋げるために重要な施策と考えられる。

 

「BEAFの法則」で売れるストーリーを作る

商品ページのあるべき構成・適切な順番は「BEAF」で表現できる。

  1. 購入メリット(Benefit)
    商品利用シーンの描写、魅力的な写真など
  2. 論拠(Evidence)
    マスコミ実績、ランキング、お客様の声の引用など
  3. 競合優位性(Advantage)
    品質、価格、利便性など世間の相場と比べてアピール
  4. さまざまな特徴(Feature)
    色、サイズ、賞味期限、内容量、素材、成分など

ユーザーの反射的な感想を踏まえて、ページを構成する必要がある。(どんな商品なのか?本当にそう言えるのか?似た商品もるのでは?など)

購入メリットは、「この商品が、そのユーザーにとってどんなメリットをもたらすか」を突き詰めて考える必要があり、店舗目線ではいけない。対象となる客層の生活を具体的にイメージし、リアルな購入メリットを見つける。

 

まとめ

ネットショップといっても、取り扱う商材や規模によって作り方や運用方針も変わってくるが、基本となる法則はおさえた上で、商品タイプ別の集客方法や店舗紹介ページに盛り込むべき内容が紹介されていて参考になる。

 とくに、知名度もないようなオリジナル商品で、一からネットショップを開店する場合、まずはショップに来店してもらったあとに、初回購入をしてもらうまでが大きなハードルとなり、さらに購入された後のフォロー施策が重要になってくるが、「魚鱗の陣」や「鶴翼の陣」など、店舗の特性に応じた集客方法や商品ページに盛り込むべき情報など、具体的に実施できるアイデアがある。

立ち上げ前から立ち上げ後まで、進捗状況によって定期的に読み返してショップ作成に反映していくようにしたい。